会長のご挨拶

日本臨床細胞学会九州連合会 会長挨拶


日本臨床細胞学会九州連合会 会長 加来 恒壽

この度、平成28年4月より日本臨床細胞学会九州連合会会長就任に際し、皆様に一言ご挨拶申し上げます。

日本臨床細胞学会は昭和37年(1962年)に創設され、約50年を超える歴史を持つ学会でありますが、現在会員数も約1万2千人を超す大きな学会であります。2013年より公益社団法人化を実現しております。この学会の目的は細胞診を通じて国民の医療と福祉に寄与することであり、細胞診は色々な癌の診断やがん検診の検査法として広く利用されています。その取り扱う学術内容は、病理・病態領域、婦人科領域、外科領域、内科領域、歯科領域など全ての領域の、特に癌の細胞診断をカバーしており、がん検診としての有用性から子宮頸がん検診、子宮体がん検診、肺がん検診、乳がん検診に用いられています。人間の体の色々な部位から細胞を取ってきて染色をしたあとに癌細胞が無いかどうかを調べるもので、組織診に比べて侵襲の少ない検査法であります。染色などの標本の作成と顕微鏡検査によるスクリーニングを細胞検査士と呼ばれる学会が認定した検査技師さんが行い、異常な細胞が見つかった場合は細胞診専門医と呼ばれる学会が認定した医師が最終判定をしています。このように学会の会員は医師と技師とから構成され、約5000人の医師と約7000人の技師の会員がいます。我が国では産婦人科医、病理医、呼吸器科医、消化器医など数多くの医師が細胞診専門医資格を持っております。

九州での細胞診の活動の歴史は古く、昭和43年12月8日に福岡において第1回九州細胞診研究会が開催されています。研究会は年2回開催され、最初はシンポジウムと特別講演のみで研究会を構成しましたが、昭和46年より一般演題の募集を始め、昭和53年から2日間の開催と学術集会長を医師とすることが決められました。 昭和55年に九州細胞診研究会を日本臨床細胞学会九州支部へと変更しましたが、昭和58年の老人保健法の施行に伴い各種のがん検診の態勢作りが県単位でおこなわれることとなり、各県に細胞学会の支部が結成され、九州支部は九州連合会として生まれ変わりました。

第1回九州連合会は、昭和60年7月に福岡において開催され、以後各県を回りながら毎年1回開催され、本年(平成28年)7月23日、24日に第32回日本臨床細胞学会九州連合会学会(久留米、鹿毛 政義会長)が開催されます。

現在まで九州で開催された全国学会は9回あり、昭和41年に第5回秋期大会(熊本、加来 道隆会長)、昭和45年に第9回秋期大会(鹿児島、佐藤 八郎会長)、昭和48年に第14回春期大会(福岡、滝 一郎会長)、昭和58年に第22回秋期大会(長崎、山邊 徹会長)、平成2年に第31回春期大会(長崎、山邊 徹会長)、平成4年に第33回春期大会(佐賀、杉森 甫会長)、平成17年に第46回春期大会(福岡、柏村 正道会長)、平成21年に第48回秋期大会(福岡、金城 満会長)、平成23年に第52回春期大会(佐賀、岩坂 剛会長)が開催されています。今後、平成28年11月18日~19日、第55回秋期大会(大分;別府)、横山 繁生会長)、平成29年11月18日~19日、第56回秋期大会(福岡、加来 恒壽会長)の開催が予定されております。会員数は、研究会発足時は120名足らずでありましたが、昭和55年の支部発足時には318名、昭和60年の連合会発足時には617名、平成27年6月には1419名の会員を擁し柏村正道前会長はじめた歴代の会長のもと全国でも有数の連合会組織へと成長しております。新たな体制で、今後の急速な医療や科学の進歩に対応し、細胞診断学が益々、充実・発展し続けるために、九州・沖縄各県の会員の皆様の御協力をいただきながら、共に細胞診断学の更なる進展・充実に尽くし、これらの成果が社会に還元され、国民の健康の増進に寄与することを目指して参りたいと存じます。会員の皆様の益々の御支援、御鞭撻の程、お願い申し上げます。

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